インセプション

今年の目標4/10(見た順番としては3本目)。アメリカ出張の飛行機内で見た。

夢の中に入って他人の記憶を盗み出したり、逆に記憶を植え付けて思想を操作したりするという、なかなかハードコアな作品。作品の始まりから夢の中で、しかも実際には夢の中の夢であったという、いきなりフルスロットルで現実と夢の境界を曖昧にさせてくる演出で引き込まれた。

夢の中では時間の進み方が遅くなったり、夢の中でもめちゃくちゃなことをすると無意識に気づかれて排除されたりするなど、話にスリルと現実感を持たせるための設定がよく練られており、必然の繰り返しでどんどん話が進んでいくので気持ちよかった。キックして落ちると目が覚める鎮静剤で、車が横転したり段差を踏み越えても起きないのはなぜかとか、強力な鎮静剤の影響下で夢の中で死ぬと現実に戻れず無となりさまようとか、なんだよそれと言いたくなるようなご都合主義はあったが、下の段の影響で刻一刻と変化する夢の状況や、それに合わせて復帰手段のキックを構成していくスリル、それと映像美を考えれば、SF的な多少の瑕疵は無視してよいと思う。