やなぎなぎライブ "Follow Your Tracks"

友人に誘われてチケットをもらったので、やなぎなぎのライブ "Follow Your Tracks" に行ってきた。そもそもライブの話を聞くまでやなぎなぎが誰かということすら知らなかったのだが、「君の知らない物語」のボーカルの人らしい。あの少しハスキーな声は確かに好きな部類なので、チケットあるなら試しに行ってみようかなという気持ちで参加した。一応予習としてアルバムも聞いておこうと思ったのだが、今回のライブのベースとなるであろうアルバム "Follow My Tracks" は発売が4/20と遅く、しかもiTunes Storeで買えなかったため、面倒になって聞くのを諦めてしまった。

今回は1階の立見席で、ステージがとても近い。ステージ上の人が何をしているのか、動きも表情もはっきりと見て取れるという状況は今まで経験したことがなかったが、これはかなり臨場感があって楽しい。臨場感というか、実際にその場にいるんだけど、やはり遠くから見るのとは空気が全然違う。

ライブは楽しい。曲に合わせてペンライトを振るという行為そのものが楽しい。ただ、今回のライブの曲は今ひとつ自分の好みに合っていない気がして、完全にはノリ切れなかったように思う。これはライブだからどう、予習しなかったからどうという問題ではなく、完全に音楽の好みの問題なのでどうしようもなさそう。自分は分かりやすくポップかつアッパーな曲か、やくしまるえつこのようにひたすら気だるげな声で歌っているような、突き抜けた感じの曲が好きなんだなと思った。まあ、シンフォギアライブや高垣彩陽ライブで感じたようなカタルシスは簡単に得られるものではなく、単にこれまで運が良かっただけなのかもしれない。

そういえば、曲に合わせて歌詞のタイポグラフィを出すというタイプのMVは大嫌いだったのだが、今回のライブでバックスクリーンに同じような演出が出たときは嫌などころか、むしろ演出としてぴったり当てはまっているように感じた。嫌いな理由は、言葉による表現である歌詞をそのまま文字にして見せるという行為が安直なうえ、歌詞を歌い上げるという行為とかなりの部分が重複しており、動画という、歌詞の「意味」を言葉ではない手段で伝えるせっかくの機会を完全に無駄にしていると感じるからなのだが、ライブだと大丈夫なのは、歌っている歌手本人が見えており、非言語の表現が既にそこに存在しているからなのかもしれない。あるいは、単に初めて聞く曲だからかもしれない。どちらにせよ、この件はもう少しちゃんと考える価値がありそうだと思う。